column

プリマヴェーラの目指す着地点

~Education for Future~

伝統は継承されなければならない。
それは、正しいものを正しいと思える心と、真摯に向き合う謙虚な姿勢から生まれるものだろう。日本の伝統芸能である歌舞伎は、400年前から現代まで人々の心を魅了してきた。
バレエに至っては、ルネサンス期まで遡り、フィレンツェのメディチ家から広まったという由来もあり、かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチが衣装を手がけたとまで言われている。
すなわち、美しく正しいものは長い年月を経て現代へと受け継がれ、そしてまた未来永劫へと矢印を向けることだろう。

フランスの社会学者ピエール・ブルデューは、「教育は絶えず生産されなければならない。」と唱えた。
教育は常に受け継がれなければならず、どこかでなんらかの障壁で出会い、そして途絶えれば、素晴らしいものは継承されないのだ。
しかしながら、文化資本は親からの相続によるところが大きく、本人の意思や努力では獲得できないとも解釈できる。
つまり、文化資本の有無は世代をまたいで引き継がれるという考え方である。
そもそも、子に一番近い見本は親であり、子は親を見て育つ。口の利き方、話す言葉の選択、そしてマナーやモラル、礼儀や作法など、無限の可能性を秘めている。美しいものを美しいと共感できる心もその一つだろう。
それが金銭を生むツールとしての物差ししかなければ、人はそこまでである。

常に貪欲なまでの知識の拡充と、耽美的な心を育むことこそ、私たちが求められている姿の一つだろう。
憧れを辿る姿がやがて系譜となり、未来ある人々の方向性へと指し示す。
プリマヴェーラグループとして、常に、希薄化させない思いと成長の礎になるべく源流を希求していきたいと切に思う。